CTHY JOURNAL vol.7 / WATCH
CTHYのシグネチャーアイテムにフォーカスした「CTHY JOURNAL」。
今回は、現在製作を進めている「TRIPLE CALENDAR COMPLICATION WATCH『機械式』」を紹介。
CTHYが手がける機械式腕時計としては4作目となる。
これまでのモデルとは趣向を変え、複数の表示機能が生み出す緻密な造形と、ドレスウォッチの端正な佇まいを1本にまとめた。
着想源となったのは、機械式腕時計における伝統的な複雑機構「トリプルカレンダー」。
曜日・日付・月の3つを、同一の文字盤上で表示する機構だ。
1940〜50年代のヴィンテージウォッチにも採用され、実用的なカレンダー機能と独特の造形美によって、現在まで受け継がれている。
表示する要素が増えるほど、文字盤には立体感と動きが生まれる。
その反面、配置のバランスを誤ると視認性が低下し、全体も煩雑な印象になりやすい。
今作では、各表示の位置や大きさ、周囲に残す余白を細かく検証。
サブダイヤルと時刻表示が互いに干渉しないよう、試作と修正を繰り返した。
印刷の太さや質感に至るまで見直し、複雑な機構を備えながらも、端正に見える文字盤へ整えている。
針は既製のパーツを使わず、全体の構成に合わせて新たに設計。
針の中央へ稜線を設けることで左右に異なる面が生まれ、見る角度によって光の反射が変化する。
秒針は極力細く仕上げ、密度のある文字盤の中に繊細な線を加えた。
ロゴの扱いも控えめにし、ブランド名を前面へ出さない匿名性のあるデザインを採用。
文字盤上の要素を必要以上に増やさず、カレンダー機構と針の造形が際立つよう調整している。
ケースの素材は316Lステンレス。
耐食性と耐久性を備え、高級腕時計にも広く使われている素材だ。
表面を磨き上げることで金属本来の光沢を引き出し、密度のある文字盤をシャープに縁取っている。
文字盤を保護する風防には、硬度と透明度に優れたサファイアガラスを採用。
細かな表示を明瞭に見せながら、日常的な擦れ傷も抑えられる。
裏蓋は、内部の機械式ムーブメントを目視できるシースルーバック仕様。
外側のデザインだけでなく、ぜんまいや歯車が連動する構造まで鑑賞できる設計だ。
ベルトには、フランスの老舗タンナーによるアノネイレザーを使用。
表面に型押しを加えることで、滑らかな革に奥行きのある陰影を生み出している。
複雑な文字盤に対し、クラシカルなレザーベルトを組み合わせることで、日常の装いにも取り入れやすいバランスへ仕上げた。
伝統的なトリプルカレンダーを、現代のスタイルへ取り入れやすい形に再構成した「TRIPLE CALENDAR COMPLICATION WATCH」。
現在はムーブメントや各部材の手配と並行し、量産に向けた最終調整を進めている。
年内の発売を目標に製作中だ。
